集め汁

集め汁とは・・・

集め汁(集汁・集めじる・あつめ汁・あつめじる・Atsumejiru)は、
魚介類、大根、人参、ゴボウ、芋、椎茸、豆腐、油揚げなどを一緒に煮こんで作る味噌汁、またはすまし汁のこと。色々な食材を集めて作るので、「集め汁」の名がある。一説には平安時代頃から食されてきた汁料理であり、「羹(あつもの)」が転訛したともいわれる。

織田信長や上杉謙信、伊達正宗、徳川家康ら数多くの武将にも愛された料理といわれ、 1582年(天正10年)5月に織田信長が徳川家康を安土城に招いてもてなした際の料理(饗応料理)にも「いりこ(煎海鼠・干しナマコ)、串鮑(串あわび)、椎茸、麩、大豆、アマノリ」などを入れた「集め汁」が供されたという記録が残っている。つみれ、干し魚、筍なども用いられ、邪気を払う食べ物として、端午の節句の際に食される風習もあった。江戸時代の薩摩でも、鯛と野菜を入れた「集め汁」が、婚礼などの祝いの席で供されていたといわれる。今も各地に、「集め汁」のバリエーションと考えられる、様々な食材を用いた汁料理が郷土料理として残っている。現在の「味噌汁」も「集め汁」の一種とされる場合もある。

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