刺身
刺身とは・・・
刺身(刺し身・さし身・刺しみ・さしみ・Sashimi)は、
マグロやカツオ、タイ、ヒラメなどの魚や、ホタテ、アカガイ、ミル貝などの貝類、海藻類、牛や鹿などの肉類、野菜類、こんにゃくなどを生(非加熱 ※1)のまま、または一度冷凍してから、もしくは表面に熱湯をかける、火で炙るなどしてから、薄くそぎ切りやぶつ切りなど一口大の大きさに切って、醤油、塩、ぽん酢などをつけて食べる料理。またはその食べ方。造り(造里)、お造りとも。(※1 タコなどのように一度茹でたものでも「刺身」と呼ぶものもある。)
薬味、彩り、ツマ、ケンとして、すりおろしたワサビや生姜、カラシ、にんにく、大根、唐辛子、ネギ、シソ、ミョウガ、アサツキ(浅葱)、菊、小菊、生紫海苔やトサカノリなどの海藻類、防風、蓼、紅タデなどが用いられることが多い。食べる際の調味料としては、刺身の種類や地域、個人の好みなどにより、醤油、塩、ぽん酢などのほか、酢、スダチ、レモン、塩レモン、カボス、味噌、煎り酒(炒り酒)、マヨネーズ、ソースなども用いられる。
その味わいは、提供されるまでの食材の保存状態や切り方、提供の仕方などに大きく左右されるのはもちろん、育った環境、(特に魚の場合)漁獲方法(一本釣りか網か等)や〆め方、運搬方法などにより、大きく異なってくるといわれる。
生、(又はほぼ生)の状態で食べることから、一般的には獲れたて(採れたて)すぐの鮮度の良いものでなければならないとされるが、マグロや白身魚などのように適宜寝かせないと旨味が出ない種類や、冷凍しないと食べる事の出来ないもの(寄生虫等の理由)などがあり食材によって大きな違いがある。また、フグなどのように可食部以外に毒を持ったもの、貝類のように、場合によっては毒や雑菌を体内にためやすいもの、肉類のように寄生虫の危険性が高いものや、捌く段階で(肉の)表面が菌などで汚染されやすいものなどがあり、中心部まで加熱しないが故に、食中毒の可能性などを考慮し、通常の調理以上に気をつけなければならない料理、食べ物でもある。
一つの皿に2種類以上の刺し身を盛りつけたものを「刺身の盛り合わせ」「刺し盛り」と呼び、舟型の器に盛りつけたものは船盛り(舟盛り)と呼ぶ。また、頭や尾、ヒレなどと共に一尾丸ごと盛りつけたものは姿盛り(姿造り)と呼ばれる。
刺し身として食べられている主なモノ:
日本の各地で刺し身として食べられているものの例。(特定の地域では昔から習慣的に刺身で食べられていても、寄生虫や毒などが原因で食中毒になる可能性があるものも含まれるので注意。下に挙げたものは「刺し身で食べられる」ことを保証するものではないので、自分で釣った魚などを刺し身にする場合は十分ご注意の上、自己責任でお召し上がりください。特に、イカやサバ、メバル、淡水魚などは寄生虫がいるケースが多く見られるので注意。)
魚介類:
マグロ(鮪)(クロマグロ(本マグロ)、メジマグロ、キハダマグロ、メバチマグロ、ミナミマグロ、コシナガマグロ、カジキマグロ、ビンナガマグロ)、カツオ(鰹)、タイ(鯛)、ヒラメ(平目)、スズキ(鱸)、コハダ(小肌)、シンコ(新子)、コノシロ(鮗)、カマス、かれい(鰈)、カンパチ、ブリ(鰤)、ハマチ、タチウオ(太刀魚)、アジ(鯵)(マアジ)、ムロアジ、シマアジ、メアジ、アカアジ、ギンガメアジ、シラウオ(白魚)、シロウオ(素魚)、サンマ(秋刀魚)、イワシ(鰯)(マイワシ)、アイナメ、サワラ(鰆)、カスゴ(春子)、カサゴ、アナゴ(穴子)、マサバ(真鯖)、ゴマサバ、カワハギ、 ウマヅラハギ、ウスバハギ、ヒラマサ(平政)、サヨリ(細魚)、サーモン、コチ(マゴチ)、メゴチ、クエ、アラ、ノドグロ(アカムツ)、ムツ、クロムツ、ソイ、クロソイ、カレイ(マコガレイ、イシガレイ等)、トビウオ、キス(鱚・シロギス)、サクラマス、メジナ、クロメジナ、マナガツオ、ハガツオ、ギンザケ(銀鮭)、トクビレ(ハッカク)、ボラ、ホウボウ、アカヤガラ、キビナゴ、メバル、クロメバル、ウスメバル、アコウ(キジハタ)、アオハタ、アカハタ、ヤイトハタ、ニベ、ウメイロ、マルコバン、スマ (ヤイト) 、タカベ、カマスサワラ、ムラソイ、コウライマナガツオ、ツクシトビウオ、ゲンゲ(シロゲンゲ)、シャチブリ、ヒラソウダ、オアカムロ、アカマンボウ、クサヤモロ、アカタチ、アカカマス、ハナビラウオ、ヒラ、アカアマダイ、オジサン、キンメダイ(金目鯛)、クロダイ(黒鯛)、イシダイ(石鯛)、コショウダイ、アカダイ、キントキダイ、クルマダイ、アマダイ(甘鯛・グジ)、マトウダイ、ベニマトウダイ、クサカリツボダイ、ヘダイ、イシガキダイ、カガミダイ、キダイ、エビスダイ、シロダイ、メイチダイ、ニザダイ、ハマダイ、キツネダイ、ニザダイ、イボダイ、メダイ、キンキ(キチジ)、イサキ、アカイサキ、ニシン(鰊)、シシャモ、ハゼ(沙魚)、フグ(トラフグ、マフグ、クサフグ、シロサバフグ等)、チャバチメ、ヤナギバチメ、ソイバチメ、オコゼ、オキザヨリ、生しらす(※2)
イカ(スルメイカ、ケンサキイカ、アオリイカ、ヤリイカ、モンゴウイカ(カミナリイカ)、コウイカ、スミイカ、アカイカ(ソデイカ)、ホタルイカ等)、タコ(マダコ・ミズダコ・イイダコ等)、エビ(クルマエビ、タイショウエビ、アマエビ、ボタンエビ、イセエビ、ガスエビ、白エビ、アカエビ、ハコエビ、セミエビ、ウチワエビ、サクラエビ(※3)等)、シャコ(蝦蛄)、カニ(ズワイガニ、タラバガニ、ケガニ)
アワビ(鮑)(クロアワビ、エゾアワビ、メガイアワビ、マダカアワビ)、サザエ(栄螺)、トコブシ、バイガイ(バイ貝)、ツブガイ(つぶ貝)、エゾボラ(真ツブ)、ホタテガイ(ホタテ貝・帆立貝)、ホッキガイ(ほっき貝・北寄貝)、ミルガイ・ミルクイ(ミル貝・海松食)、ナミガイ(白ミル貝)、タイラギ・タイラガイ(平貝)、アカガイ(赤貝)、バカガイ(アオヤギ)、トリガイ(トリ貝)、アカニシ(赤にし貝)、ヒオウギガイ(ヒオウギ貝)、ツキヒガイ(月日貝)、ヤコウガイ(夜光貝)、シャコガイ(シャコ貝)、はまぐり、あさり、ほや、ナマコ、ウニ(バフンウニ、ムラサキウニ、アカウニ等)、カキ(牡蠣)、岩ガキ
コイ(鯉)、アユ(鮎)、イワナ(岩魚)、ヤマメ(山女魚)
※2.3 生のシラスやサクラエビなど、包丁で切らない(切る必要のない)小さなものなどでも、「生食」として「シラスの刺し身」「サクラエビの刺し身」と呼ぶこともある。
肉類:
ウマ(馬刺し)、シカ(シカ刺)、ウシ(牛刺し)、鶏(鶏さし、鳥さし)、ヤギ(ヤギ刺し)、クジラ(鯨肉)
その他:
こんにゃく、タケノコ、湯葉(湯波)、カマボコ(蒲鉾)、ダイコン、海藻(ワカメなど)