初物

初物とは・・・

初物(初もの・はつ物・はつもの・Hatsumono)は、

1. その年の旬の時期に初めて獲れた魚や野菜、果物、穀類などのこと。

基本的にはその年初めて市場に出た食材はすべて「初物」ではあるが、現代ではハウス栽培や養殖などにより食材によっては季節感が乏しく、また1年を通して流通しているものも少なくないため、昔に比べると意味も概念も曖昧になってきているが、かえって天然のモノの「初物」が珍重されている側面もある。現代においても特に「初物」として話題に上り、特別に扱われるものに、カツオ(初鰹)、シンコ(新子)、なす、新茶、そば、新米などがある。そのほか、タケノコ、ホタルイカ、ホヤ、蟹、サンマ、山菜、マツタケなどのキノコ、梨、栗など、季節性の強い食べ物(季節もの)も、「初物」がメディアなどで取り上げられることが多い。また、スーパーマーケットなどで「初物」「初入荷」としてポップで張り出されたり、ちらしやウェブの広告に掲載されることも多い。

初物は、「香りが高い」「味がいい」という場合もなくはないが、どちらかというと質や味よりも、「初めて」という響きの新鮮さ、目新しさが珍重される傾向が強く、縁起物とされている場合も多い。特に江戸っ子は「初物好き」として知られ、「女房を質に入れても食べたい初鰹」「シンコを食べないと夏が来た気がしない」など、江戸っ子の初物好きをよくあらわした俳句や言葉、言い回しが残っている。よく似た言葉に「はしりもの」がある。

2. その年に初めて食べるもの。飲むもの。その年に初めて口にする旬のモノ。

◇「初物七十五日」・・・初物は縁起が良いので「初物を食べると寿命が75日伸びる」といわれた江戸時代の俗説。75日は具体的な数字ではなく、ある一定の期間を曖昧に表した言葉。

◇「初物食い」・・・初物を食べること。

 
 
 

四季折々、主な季節の初物

(地域や種類によって、異なる場合があります)

春の初物(3月~5月頃)

ふきのとう、タラの芽、タケノコ、ほか様々な山菜類
いちご、さくらんぼ
わかめ
サワラ(鰆)、シロウオ、タイ(鯛)、ニシン(鰊)
アユ(鮎)カツオ(鰹)

夏の初物(6月~8月頃)

タコ、シンコ、
スイカ、ナス、きゅうり、トマト
ビワ
岩牡蠣

秋の初物(9月~11月頃)

マツタケ、ほか様々なキノコ類
梨、柿、リンゴ
サケ、サンマ
芋類(サツマイモ、ジャガイモ)

冬の初物(12月~2月頃)

海苔
タラ、カニ(ズワイガニ)
みかんなどの柑橘類
白菜、ネギ、ほうれん草
牡蠣

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