せんべい汁

せんべい汁とは・・・

せんべい汁(煎餅汁・煎餅じる・センベイ汁・せんべいじる・Senbeijiru)は、
主に青森県八戸市と周辺地域で食されている郷土料理、伝統料理。八戸せんべい汁。汁料理、鍋料理の一つ。「イチゴ煮」と共に青森県の「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれている。

醤油ベースの出汁に、鶏肉や豚肉などの肉類、人参やネギ、ごぼうなどの野菜類、しめじやまいたけなどのキノコ類、糸こんにゃくなどを入れた鍋に、南部せんべいを入れて煮込んだ料理で、地域や家庭によっては味噌、塩で調味したり、タラやキンキン(キンキ)、焼き鯖、鯖の缶詰、ウグイなどを具として用いることもある。出汁としては鶏が使われることが多いが、鯖だしや蟹、スッポンのスープなどのバリエーションもある。

その発祥は古く、今から200年ほど前の江戸時代後期に起きた「天保の大飢饉(1833年~1837年)」の頃、八戸藩内で生まれた料理、食べ方と伝えられ、元々はすいとん(ひっつみ)の代わりに保存の効くせんべいを用いるようになったのがその始まりともいわれる。

せんべい汁に用いられる「せんべい」は、一般に広く流通する「南部煎餅」ではなく、煮崩れしにくいように特別に作られた「かやきせんべい・おつゆせんべい・鍋せんべい・鍋用せんべい」と呼ばれる鍋専用のもの。「すいとん」よりも歯ごたえがあって、出汁をよく吸って旨味があるのが特徴。八戸及び周辺地域の一般家庭で食べられているほか、居酒屋や道の駅などでも提供されている。

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