このわた

このわたとは・・・

このわた(コノワタ・海鼠腸・konowata)は、
ナマコ(海鼠)の内臓をにしたもの。ナマコの腸の塩辛。ナマコの腸の塩蔵品。酒の肴として、またごのおかずとして珍重される。からすみ、ウニと共に日本の一つに数えられる。「品」として能登半島(石川県七尾市、穴水町)のものが全国的に知られるほか、伊勢湾や三河湾、瀬戸内海、長崎(大村湾)などでも生産され、地域の特産品となっている。

その歴史は古く、平安時代にはすでに能登で「海鼠腸」が生産され、税(貢納物)として中央に納められていたという記録が延喜式に見られる。また、には尾張徳川家が江戸の将軍家に献上していたことが知られている。

このわたの名前の由来

「このわた」の「こ」はナマコの古名、異称であり、その腸=「わた」であることから「このわた」と呼ばれるよなったという。

このわたの食べ方

そのまま、小皿に盛って箸などで摘まんで酒の肴として食べるほか、あつあつのの上にのせて食べるのを好む人もいる。飲食店などでは塩辛さを和らげる為にうずらの卵が割りいれられて供されることも少なくない。(かつての「このわた」は日持ちさせるためもあって塩分濃度が15パーセントほどあったが、最近は減塩傾向にあり塩分濃度で6~8パーセントのものも増えており、うずらの卵を入れなくてもいいという意見もある。)

イカや甘エビを「このわた」と和えた「このわた和え」や、ナマコと和えた「このわた親子和え」、に「このわた」を入れて蒸す「このわた蒸し」という食べ方もある。

また、「このわた」を包丁でたたき、薄仕立ての、または味噌仕立ての出汁を注いだ「このわた汁」や、少量の「このわた」に熱燗を注いだ「このわた酒」は、美味・珍味として、グルメや酒飲みに好まれる。

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