ふぐの子糠漬

ふぐの子糠漬とは・・・

ふぐの子糠漬(河豚の子糠漬け・ふぐのこぬかづけ・Fugunokonukazuke)は、
ふぐの卵巣を糠漬けにしたもの。石川県の郷土食。「河豚の卵巣の糠漬け」とも。

石川県輪島市、金沢市金石、大野、白山市美川地区で、昔ながらの製法で製造されており、
県内のスーパーや道の駅、土産物店などで「珍味」として販売されている。
都市部のアンテナショップや、通販、インターネットでの購入も可。

魚卵特有の濃厚な味でやや塩辛く、ご飯や酒の肴にあう。
切ったものを炙ったり、
ほぐしてご飯に乗せ、出汁や茶を注いで、茶漬けで食べる人もいる。

ふぐの子糠漬に使用するのは、猛毒であるゴマフグの卵巣で、
通常、食用にはならないこの卵巣を塩漬けした後、
1年半〜2年以上糠漬けにすることにより、毒が消え、食用が可能となる。
漬けこみ後、「テトロドトキシン」含有のテストを行い、出荷される。

フグ毒の「テトロドトキシン」は未だ不明な部分が多く、
塩漬けと糠漬けの工程を経て、無毒化する理由も完全には解明されてはいない。

それゆえ、フグの子糠漬けを作る職人は、今も昔ながらの製法を厳密に守り、
道具一つに至るまで、軽々しく新しいものにはしないという。

糠漬の後さらに酒粕で1ヶ月ほど漬けこんだ「ふぐの子粕漬」もある。

ふぐの子糠漬

ふぐの子糠漬

Memo

新潟の佐渡でも江戸時代から、ほぼ同様のふぐの卵巣の糠漬け・粕漬けが製造されており、
現在、佐渡市沢根五十里にある「須田嘉助商店」で「河豚の卵巣の粕漬け」が製造されている。

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