おやき
おやきとは・・・
おやき(御焼き・お焼き・御焼・お焼・御やき・オヤキ・Oyaki)は、
1. 小麦粉やそば粉に水(湯または水)などを加えた生地で作る皮で、野沢菜やカボチャ、小豆などの餡(あん)を包んで、加熱調理したもの。長野の郷土料理、ソウルフードとして知られる。地域により、焼きまんじゅう(焼き饅頭)、蒸しまんじゅう(蒸し饅頭)、ちゃのこ、ちゃなこ、あんぶ、あんぼ、ハリコシ(はりこしまんじゅう)などとも。主に北信地方や安曇野地域などの一般家庭で、農作業などの合間に食べる日常食として、また冠婚葬祭の際の食事の一つとして、囲炉裏の灰の中で蒸し焼きにして作られ食べられてきたものが、いつしか信州全域に広まったといわれ、現在では専門店やスーパーマーケット、お菓子店、土産物店などのほか、道の駅やドライブイン、パーキングエリア、郷土料理店、レストラン、屋台、キッチンカーなど、長野県内の300か所以上で製造・販売され、「信州の味」として、地元の人々のみならず、観光客やビジネス客などにも広く親しまれている。
具材や見た目などは、地域や家庭などによって様々なバリエーションがあり、焙烙(ほうろく)や鉄板、フライパン、平鍋、ホットプレート、オーブンやレンジなどで焼いたもののほか、木や竹のセイロ(蒸籠)などの蒸し器で蒸したもの(蒸かしたもの)、焼いてから蒸かしたもの(焼き蒸かし)、油で揚げたものなどがあり、中に入れる餡も、茄子やカボチャなどの野菜や山菜、野沢菜、小豆などの定番のものをはじめ、最近ではカレー味のものや、ポテトサラダ、トマトやチーズなどが入った新しいものもある。
餡の具材に用いられる主なものとしては、茄子、カボチャ、ごぼう、ニンジン、野沢菜、空豆、にら、サツマイモ、山菜、タケノコ、うぐいす豆、椎茸やシメジ、舞茸などのキノコ類、肉、くるみ、ふきみそ、ネギ味噌、ナス味噌、辛味大根、大根、ひじき、切り干し大根、おからなどがあり、あらかじめ炒める、煮るなどして醤油や味噌、酒、砂糖などで調味してから皮で包んで作る場合が多い。
2. 小麦粉に砂糖、卵などを加えて作る生地を型に入れ、小豆餡やカスタード、チーズなどを中に入れて焼いたもの。他地域で「今川焼」「大判焼き」「回転焼き」等と呼ばれるもの。主に北海道や岩手などで用いられる呼び名。
3. 山梨県鳴沢村で作られ食べられているもの。平たい円形をしており、中に具材が包まれている。地元特産の伝統野菜「なるさわ菜(鳴沢菜)」を用いたもののほか、かぼちゃや、切干大根、小豆餡が入ったものがある。
4. 里芋と小麦粉で作られる食べ物。ヨモギを加えることもある。また地域や家庭によりかぼちゃやジャガイモが用いられるほか、餡としてひき肉や野菜を包むこともある。主に鳥取県や島根県などでおやつ、軽食として食べられてきたもの。食べる際には金山寺味噌やきな粉、砂糖醤油などをつけて食べる。小豆餡が入った甘いものもある。
5. 餅(または上新粉で作る生地)にヨモギを加えて小豆餡を包み込んで焼き目を付けたもの。和菓子の一つ。福井県勝山の名物菓子、銘菓として知られる。
6. 小麦粉や米粉、そば粉などで作る生地を焼いたもの。野菜やイモ類が入ったものもある。生地に味をつけて焼いたものをそのまま、または醤油や砂糖を塗ったり、砂糖の入った味噌(甘味噌)などをつけて食べることが多い。様々な地域で食べられている素朴なおやつ、間食、軽食の一つ。