すんき

すんきとは・・・

すんき(酢茎・スンキ・Sunki)は、
信州・木曽地方の伝統野菜「開田蕪(かいだかぶ)」や「吉野蕪(よしのかぶ)」などといった木曽の在来種(※1)の赤カブ(木曽かぶ・木曽菜・かぶ菜)の茎や葉を、塩を使わずに漬け込み、発酵させたもの。長野の郷土食。木曽の伝統的な保存食品、発酵食品。木曽のお漬物の一つ。すんき漬け、木曽すんきとも。乳酸発酵由来の酸味があるのが特徴のお漬物。一説には300年以上の歴史を持つといわれる。

漬けこむ時期は、寒さが厳しくなり始める11月頃からで、付け根に蕪が少し残るようにして切った茎(※2)や葉を60度前後の湯で十数秒ざっと茹でてから、温かいうちに「すんき種」と呼ばれる漬けだねと共に桶などの容器の中に重ねて入れて、そこへ43度~45度程度に冷ました湯(茎や葉をさっと茹でた時の茹で汁)を加え、密閉してから数日漬けこんで作る。「すんき種」には主に、前年に漬けた「すんき」を干して保存しておいたものや、冷凍したものなどを用いる。かつては、野山に生える山ブドウの実やズミ・オオズミ・キズミなどと呼ばれる小梨(オオウラジロノキ)をつぶして発酵させたものを用いていたという。

そのまま、お漬物として食べるほか、温かいそばに入れて「すんきそば」にして食べたりする。

温かいそばに「すんき」をトッピングした「すんきそば」
温かいそばに「すんき」をトッピングした「すんきそば」

※1. 木曽かぶ、木曽の在来種のかぶとしては、「開田蕪(かいだかぶ)」「吉野蕪(よしのかぶ)」のほか、「細島かぶ(ほそじまかぶ)」「三岳黒瀬蕪(みたけくろせかぶ)」「王滝蕪(おうたきかぶ)」「芦島蕪(あしじまかぶ)」の六種ある。

※2. 茎を長めに切って漬け込んだものを「長漬け」、短めに切って漬けたものを「切り漬け」ともいう。

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