寿司屋
寿司屋とは・・・
寿司屋(鮨や・寿しや・鮨や・鮨屋・鮓屋・寿し屋・すし屋・すしや・Sushiya)は、
主に、寿司(握りずし・巻物)を提供する飲食店のこと。寿司店(鮨店・鮓店)、寿司処(鮨処・寿し処・すし処・鮓処)とも。
寿司のほか、刺身(お造り・つまみ)を提供する店も多く、そのほか、、ちらし(ちらし寿司・江戸前ちらし)、天ぷらなどの揚げ物、焼き物、煮物(煮つけ)、蒸し物(茶碗蒸し)、酢の物、汁物(味噌汁・アラ汁・吸い物)などを提供する店も多い。「寿司割烹(鮨割烹)」を名乗る店もある。
従来の寿司屋(回らない寿司屋)
昔ながらのスタイルの寿司屋は、カウンターとテーブル、または座敷(小上がり等)から成っている店が多く、寿司職人の立つ調理スペース「付け場(つけ場)」とお客の座るカウンターの間に、その日の食材(ネタ)が入った透明なガラス製の(冷蔵機能を持った)ケースが置かれている場合が多い。客の目の前には「付け台(つけ台)」と呼ばれる、寿司職人が握った寿司を(お皿などにのせずに)そのまま置く場所がある。店によっては「ゲタ(寿司下駄・寿司ゲタ)」と呼ばれる、足がついて少し高くなった台、または盛り板が置かれていることもあり、その場合はその上に寿司が置かれる。(「寿司台」「寿司盛台」「寿司盛器」「盛込器」とも。)
一般的な店舗ではカウンターと、テーブル席(と / または)、座敷席(小上がり)があり、大きな店舗だと一階がカウンター、二階が座敷、またはテーブル席、さらに3階以上は座敷や大広間というスタイルも珍しくない。
江戸時代の寿司屋
寿司の元祖は、奈良時代頃に生まれたといわれる「なれずし」。「なれずし」とは、現代でも滋賀の琵琶湖周辺で作られ食べられている「鮒ずし(ふなずし)」に代表されるような、魚と米を用いて長期熟成・発酵させて作られる発酵食品で、乳酸菌由来の酸味があるのが特徴。そんな「なれずし」を、簡易的に酢を用いて作った「食べ物」が江戸時代の初め~中頃に生まれたという「早ずし」で、これが次第に変化して「押し寿司」「箱寿司」「握りずし」となっていった。
現代の様な形をした「握りずし」を考案したと言われるのは、両国に「與兵衛ずし」という店を構えた「華屋與兵衛」で、1820~30年ごろと推測されている。気が短くてせっかちな江戸っ子に、手で頬張ることの出来た握り寿司は大受けし、江戸市中にはもちろん、大阪にも江戸風の握りずしを出す店が出来たという。当時の握りずしは、現代の一般的なものに比べ、2~3倍ほど大きく、当初のものは赤酢(粕酢)を用いていた為、シャリが赤みを帯びた色をしていた。
関連リンク:ふなずし
関西の寿司屋
「さっと食べてさっと帰る」スタイルの江戸前の寿司と比較すると、関西の寿司文化は、「持ち帰り」にも比重が置かれているのが特徴で、「箱寿司」や「押し寿司」と呼ばれる、「握りずし」とは異なる寿司、「大阪寿司」とも呼ばれる独自のスタイルで進化してきた。
回転寿司店
客席のカウンター、または4人掛けや6人掛けなどのテーブルの一辺に沿うような形式でベルトコンベアー(回転レーン)が設けられ、その上を皿に載せられた様々なネタの寿司が回っているスタイルの寿司店。(「回転寿司」のほか「回転鮨」「廻転寿司」「廻転鮨」「海転寿司」などと表記している店もある。)
1958年(昭和33年)、東大阪でオープンした「廻る元禄寿司 1号店」がその発祥といわれる。
目の前のカウンターで寿司職人(または店のスタッフ)が握った寿司を提供、もしくは奥にある厨房(調理スペース)でスタッフが「シャリ玉ロボット」「シャリ玉成形機」「寿司ロボット」等と呼ばれる寿司機械なども用いて作った寿司を皿に載せ、ベルトコンベアーで流して提供するスタイルが一般的。 金色や紫色、黒色、赤色、黄色などの皿で色ごとに値段が分かりやすいようにしていたり、値段を一律に設定するなど、従来の寿司店では注文時や食べている最中には判りにくかった「値段」を明瞭にしたスタイルが特徴。
客は各自、自分のすぐそばに回ってきた皿のうち、好みの寿司がのった皿を自分で取って食べるセルフサービススタイルで、または目の前の職人(もしくは近くのスタッフ)に直接注文をする、もしくはタブレット、(又は紙とペン)で食べたいものを随時注文し、ベルトコンベアーやスタッフによって手元に届けられた品を食べる。
様々な皿が回る「通常レーン」のほかに「特急レーン」を設け、注文の品が迅速に届けられるようにしている店、タイムセールを設けている店、子供が楽しめるようなイベントを設けている店など、店によって様々なスタイルがある。注文の無い品は回さず、注文が入ったものだけをながす「ストレートレーン店舗」も増えている。また、価格を明瞭にするだけでなく抑えめにして「誰でも入りやすいスタイル」の店が多く、ターゲットもファミリー層が含まれる場合が多いため、従来の寿司店では提供されていなかった子供向けの寿司ネタやそれまで寿司にはなかった変わったネタ、さらには寿司以外の唐揚げや天ぷら、さらにはうどんやラーメンからプリンやケーキなどのスイーツまで、バラエティー豊かな品が回っている場合が多い。一方で、高級志向を打ち出して、値段の安さに拘らずに高い価格設定で、「上質なもの」「大きなサイズのネタ」「(いくらなどを)たっぷりの量」等で提供することをモットーに掲げている店も(初期に比べると)増えてきている。
一般的には、従来の寿司店(回らない寿司店)と比較すると、リーズナブルな店が多いが、小樽や富山、石川などの、新鮮な魚介類が入荷しやすい「沿岸部」にある店をはじめ、上記の高級志向の店なども含め、ネタや寿司のクオリティが高く、「回らない」従来の店と比較しても遜色ない店も少なくない。また、個人経営や小規模経営の多い従来の寿司店と比べ、「回転すし」はチェーン展開(やフランチャイズ形式)で運営されている等、大規模運営されている店が多い為、「大量仕入れが出来る」「地方の珍しい魚を独自ルートで仕入れることができる」「自社で産地直送~自社工場でまとめて加工ができる」等のメリットなどもあり、まぐろの中トロや大トロなどを破格の値段で提供したり、珍しい「地魚」を目玉商品にするなど、従来の店では中々できなかったサービスを行うことが可能な場合も多く、そういった「魅力」を前面に打ち出している店も少なくない。
さらに、(個人ではなく比較的大きな企業が運営している為)初期投資がある程度潤沢にできることによる、最新の自動機器(すしロボット等)の導入や店舗の大型化、新しいタイプの決済方法の早期導入、支払方法のセルフ化、半セルフ化が導入されている場合が多いことなども特徴的で、ロードサイドや大型のショッピングモールなどでは百人以上は入れるような「大型店舗」も珍しくない。
主な回転寿司店(回転寿司屋) 全国チェーン
全国的に(または複数県にまたがって、もしくは海外へも)店舗を展開している主な回転寿司店(回転寿司屋)として、「スシロー」「くら寿司(無添くら寿司)」「かっぱ寿司」「はま寿司」「がってん寿司」「すし銚子丸」「元気寿司」「海鮮三崎港」「平禄寿司」「にぎりの徳兵衛」などがある。
また、複数都道府県で店舗展開するのではなく、地元密着型、地域密着型で複数店舗展開し、地元の人々に親しまれている店もある。