つまもの
つまものとは・・・
つまもの(妻物・妻もの・褄物・褄もの・つま物・つまモノ・ツマもの・ツマモノ・tsumamono)は、
刺し身や焼き物などの料理に添えて、季節感や見た目の美しさ、バランスなどを演出するためのもの。つま。あしらい。飾りとしての役目のみならず、風味づけ、臭み消し、毒消し、防腐作用、食欲増進、消化を良くする等の役目を持つ場合も多い。
「つまもの」に用いられる主なものとして、シソ(大葉)、紫芽(ムラメ=シソの若芽)、青芽、花穂(花穂ジソ)、タバ穂(束穂=穂ジソ)、赤芽(紅たで)、タデ(鮎タデ)、ミョウガ、ショウガ、木の芽(きのめ)、地芽、芽カブ(芽蕪)、つる菜、あさつき(浅葱)、芽ねぎ(芽ネギ・芽葱・メネギ)、菊(小菊)、菊葉、ウメ、桜、蘭の花、イワタケ(岩茸)、ツクシ、ハマボウフウ(浜防風)、葉つきキュウリ、花丸胡瓜(ハナマル・花キュウリ)、芽かんぞう(芽甘草=野かんぞうの新芽)、莫大(莫大海・バクダイカイ)などの植物・野菜の芽や花、若葉、葉、実などのほか、オゴ(オゴノリ・イギス)、ワカメ、トサカ(トサカノリ)、海苔、岩のり、フノリ、水前寺海苔などの海藻類などがある。
敷きづまとして用いられることが多いダイコンの千切り(刺身などに添えられるダイコンの細切り)は、その細くてとがった見た目から(または剣のように縦に盛り付けることから)本来は「けん(ケン)」と呼ばれるものだが、広義の「つまもの」「つま」は、「けん」「辛み(からみ)」を含むことも多く、その区別は曖昧になってきている。一般的にはダイコンの細切りが「ツマ」と認識されている場合も少なくない。
飾りづま(飾りもの)・・・飾り切りをしたニンジンや大根、キュウリなども含めた、主に装飾を目的としたもの全般。食用でないもみじの葉なども。
敷づま・・・切り身などの下に敷くシソの葉や、大根、ニンジン、カボチャなどの「ケン」、海藻類など。「置きづま」「枕づま」ともいう。
立てづま・・・穂ジソ、花穂、花きゅうり(ハナマル)、ハマボウフウなど。「前づま」とも。
脇づま・・・切り身などの手前や脇に盛り付けることの多い紫芽、青芽、赤芽、トサカノリ、水前寺海苔など。
つまものとして用いられる主なモノ
春
木の芽(地芽)
花穂じそ
防風(浜防風)
蔓紫の穂
桜の花
桃の枝
あおき
ぎぼうし
とうみょう
金魚草
さくら草
春蘭
葉わさび
花わさび
わさび菜
花山椒
麦穂
菖蒲の葉(葉しょうぶ)
松菜の若芽
夏
青ゆず
スダチ
青芽
はじかみ
ほおずき
青もみじ
つる菜
胡瓜の葉
葉つき胡瓜
花丸胡瓜(花きゅうり)
雪の下
金蓮葉
紫芽
ゆずの花
つつじの花
都忘れ
山査子
紫陽花(あじさい)
秋
紅葉
栗の葉
柿の葉
菊の葉(菊葉)
食用菊
稲穂
姫人参
枝付き干しブドウ
冬
うらじろ
銀杏の葉(黄)
芽甘草
ゆずり葉
柊
黄ゆず
梅の枝花
水仙
木瓜の花
山茶花
冬桜
芽蕪
ミニ大根
一年を通して用いられることが多いもの
笹
竹
松
立桂
等
注意
つまものの中には、見た目には美しいが食用にはならないものもあるので注意。特にアジサイには、花にも葉にも茎にも、吐き気やめまい、過呼吸、痙攣等を引き起こす有毒成分が含まれており、知らずに食べて中毒となった事例が報告されている。