ツメ
ツメとは・・・
ツメ(つめ・Tsume)は、
寿司ネタの上に塗る甘辛いタレ。アナゴ(煮穴子)や、アワビ(蒸し鮑)、ハマグリ(煮蛤)などの貝類、タコ(茹でダコ)、シャコ、新イカ(新子)などの寿司ネタの上に塗る、とろみがあって甘みが強い黒い色をしたタレのこと。
煮汁を煮詰めて作ることから、「煮詰め」→「ツメ」となった。アナゴを煮る際に出た煮汁をこしてから、適宜、醤油や日本酒、みりん、砂糖などを加えて煮詰めていく。時間をかけて煮詰めることにより、煮汁の中に浸み出た旨味が凝縮され、さらにとろりと粘性も増して、寿司ネタの上に塗っても垂れにくくなる。
作り方やレシピは店や地域、料理人によって様々で、アナゴの煮汁に、旨味を加えるためにさらに別途アナゴの頭や中骨などを湯通ししたものをじっくり煮込んで作る「出汁」を加える店や、煮詰める際に昆布や鰹節、シイタケの出汁などを加える店、さらにかんぴょうの煮汁や煮魚の煮汁も加える店、素材そのものの味わいを大切にするために出汁などは加えず、煮汁に調味料だけを加えて煮詰めて作る店もある。古くから営業している伝統のある店では「門外不出」「秘伝」の扱いである場合も少なくない。
寿司の中でも特にアナゴやハマグリを扱う「江戸前寿司」には欠かせない存在で、提供する際にアナゴなどの上にちょんとツメを刷毛(はけ)で塗ってから提供するのが江戸前ずしの伝統的なスタイル。
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