はしりもの
はしりものとは・・・
はしりもの(走物・走りもの・はしり物・走りモノ・Hashirimono)は、
その年またはその季節に初めて獲れた魚介類、鳥獣類、野菜、果物、穀類、芋類、豆類、お茶などのこと。その年一番初めに収穫、出荷され市場に並ぶもの。出始め、出回り始めのもの。初物。単に「はしり(走り)」とも。旬の走り。走りものの鰹は「カツオの走り・走りの鰹」、走りもののタケノコは「筍のはしり」「走りのタケノコ」等と呼ばれる。
新しいもの、珍しいもの、縁起物として昔から珍重されてきた。食材の品質そのものよりも、珍しさ、時期の早さなどが重要視される傾向も有、市場では通常の値段よりもかなり高値で取引されることも多い。
江戸っ子は、新しいものを先取りする喜び、幸福を尊び「粋」とし、福を呼び込んでくれる縁起物として、走りもの(初物)を食べると長生きする、などと言い表した。
「はしり」「はしりもの」に対して、最盛期を迎えた旬のモノを「さかり(盛り)・盛りもの」、旬が過ぎて時期終わりのものを「なごり(名残)・名残もの」という。
「はしりもの」「はしり」の時期の例
(地域や種類などによっても異なる)
走りの牡蠣(はしりのカキ)(真牡蠣)・・・牡蠣の旬は1月~3月頃。牡蠣のはしりは12月頃となる。
走りの筍(はしりのタケノコ)・・・3月~4月頃。
走りの空豆(はしりのソラマメ)・・・4月頃。
走りの鰹(はしりのカツオ)・・・5月頃。初鰹(初がつお)として江戸時代の頃から重宝された。
走りの茶(はしりのちゃ)・・・5月頃。八十八夜の頃に摘まれた新茶。走り茶。
走りの蛸(はしりのタコ)・・・5月~6月頃。
走りの枝豆(はしりのエダマメ)・・・5月~6月頃。
走りの鮎(はしりのアユ)・・・6月~7月頃。若鮎(若アユ)
走りの鱧(走りのハモ)・・・6月~7月頃。
走りの茄子(はしりのナス)・・・6月~7月頃。
走りの新子(はしりのシンコ)・・・6月~7月頃。
走りの松茸(はしりのマツタケ)・・・8月~9月頃。
走りの南瓜(はしりのかぼちゃ)・・・9月~10月頃。
走りの蕎麦(はしりのソバ)・・・9月~10月頃。新そば。
走りの大根(はしりのダイコン)・・・10月~11月頃。
関連キーワード → 初物