イカ墨
イカ墨とは・・・
イカ墨(イカスミ・烏賊墨・烏賊スミ・いかすみ)は、
イカの墨袋(墨汁嚢)に含まれる黒褐色で粘性が高い液体。
外敵から身を守るために、身に危険が及んだ時にイカが吐き出すものだが、
タコの墨が一気に広がって、外敵の目をくらませるのが目的であるのに対し、
イカの墨はその粘性の高さゆえに一塊に纏まってから徐々に広がり、
その形は自身の形をカモフラージュしたものにも見えるもので、
外敵がそちらに気を取られている間に逃げる目的があると考えられている。
粘性の高さは、うまみ成分でもあるアミノ酸によるもので、
その為、イカ墨は古くから地中海地方を中心に食用になってきた。
日本には宣教師によってもたらされたイカスミ汁が、
食材としてのイカスミの積極的な利用の最初ともいわれているが、
世界一ともいわれるイカの消費国日本では、
イカは古くから様々な形で食されており、イカ墨も同様に食されてきたと推測される。
イカ墨料理
・沖縄では昔から、産後や体調不良などの際にイカ墨を用いた料理を食べたといわれ、
県内各地の食堂などでも「イカ墨汁(イカスミ汁)」や
「イカ墨じゅーしぃー(イカスミジューシー)」等を見かける。
スーパーには、「おつゆ用」等のシールが張られたイカも売られている。
・富山ではイカ墨を用いたイカの塩辛「黒作り」がある。そのほかの地域でも、
家庭でイカの塩辛を作る際には、ゴロ(内臓)と共にイカの墨ごとかき混ぜて塩辛を作る場合も多い。
・各地にイカ墨を麺に練りこんだり、スープに入れた「イカ墨ラーメン」や「イカ墨うどん」を出す店がある。
また、カレーにイカ墨を入れた「イカ墨カレー」や、「イカ墨焼きそば」「イカ墨チャーハン」もあり、ご当地グルメにもなっている。
・居酒屋などでは、イカ墨を使った「イカ墨しゅーまい」や「イカ墨入りさつま揚げ」「イカの墨煮」「イカ墨雑炊」など
イカスミを使った料理が供され、名物になっている店もある。
・そのほか、イカスミを使ったパンや中華まん、お菓子など、様々な食品に利用されている。
イカ墨の効能
イカ墨には、抗菌作用(防腐効果)や整腸作用、血液の流れをよくする効果があるといわれ、
動脈硬化、糖尿病予防にも効果があるといわれる。
頭痛や火照り、産後の肥立ちによく、腎臓、肝臓にもよいとされ、体が弱っているときに食べると元気が出る。
また、イカ墨から抽出されるペプチドグリカンには抗がん作用があるとされ、研究が進んでいる。