魚の糠漬け

魚の糠漬けとは・・・

魚の糠漬け(魚のぬか漬け・魚のぬかづけ・魚の糠づけ・さかなのぬかづけ・Sakana no nukazuke)は、
秋刀魚(さんま)、鰯(いわし)、鯖(さば)、鯵(あじ)などの魚を糠で漬け込んだもの。魚に塩をしてから(または塩漬けにしてから)糠に漬けこむもの、または、魚を直接糠と塩で漬けこむもの、漬け込む期間も1週間ほど漬け込むもの~数カ月以上漬け込むもの等、作り方や漬け込む期間等には地域や個人により多少の違いがある。長いものだと3年以上漬け込む場合もある。

北海道や、青森、秋田の日本海沿岸部、石川、富山、福井などの北陸地方などで昔から作られ、食されてきた発酵食品で、伝統的な保存食品として知られる。地域や用いる魚により「糠さんま」「こんかさば」「こんかいわし」「糠いわし」「糠にしん」「へしこ」等と呼ばれる。

元来長期保存の食品として作られてきたため、塩辛いものも少なくないが、熟成が進んだ深い旨味と乳酸発酵のまろみのある味わいを持つ。糠を落としてから適宜スライスしてそのまま、またはレモンをかけたり三杯酢に浸して食べたりするほか、七輪などで焼いてからご飯やお酒と共に食べる。また、お茶漬けにしたり、炒飯などにも用いられる。塩抜きしてから焼いたり、汁料理(三平汁)や鍋料理に用いることも多い。

北海道の留萌地域では「糠にしん」を具材として用いる地域独特の三平汁が知られ、能登半島などでは野菜やきのこなどと共に作る鍋「ベカ鍋」が伝統的な郷土料理として親しまれている。そのほか、へしこの茶漬け、野菜の漬物と共に煮込んで作る「いじいじ鍋」(白山周辺)、ホタテの貝殻に野菜と共にいれて焼く「こんかいわしの貝焼き」、祭りの際に作られてきた「笹の葉寿司」など、様々な郷土料理にも用いられている。

糠漬けに用いられる魚としては、秋刀魚、鰯、鯖、鯵、のほか、にしん、ふぐ、ふくらぎ、ハタハタ、ホッケ、カレイなどが挙げられる。また、イカやフグの卵巣などの糠漬けもある。


糠にしん


糠さんま


へしこ

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