天日干し

天日干しとは・・・

天日干し

天日干し(天日乾し・てんぴ干し・てんぴぼし・Tenpiboshi)は、
海藻やしらす、桜えび等の魚介類、大根や唐辛子などの野菜・根菜類、梅干しなどの漬物類などの食材の乾燥方法の一つ。ざるやよしず、シートなどの上に目的の食材を並べ(または撒き散らし)、太陽の熱にあてること。日差しの下に置くこと。太陽の光と熱および風で乾燥させることのみが目的の場合と、寒天や凍み餅、凍み大根などのように、気温の低い冬場に天日干しを行って、乾燥と共に夜間に凍結させることが目的の場合もある。(凍結することによりさらに水分が抜ける。)

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天日干しの様々な方法

ざるやよしずなどに上に広げて天日干しにするほか、ざるやよしずなどを使わず、食材を棒などにかけてまたは紐やフック、洗濯物干しなどを用いて吊り下げる場合、地面に直接置く場合(もしくは地面に置いた石の上に置く)、雪の上に広げる場合など、食材や時期、地域などにより様々なやり方がある。

天日干しに用いられる食材

専用の干場や櫓(やぐら)、軒先(軒下)などに、紐や棒、フックなどを用いて吊り下げるものとしては、素麺やうどんなどの麺類、大根などの根菜類、枝豆・大豆・小豆などの豆類、イカ、タコ、、カレイ、ほっけ、鯵、秋刀魚、サヨリ、シシャモ、うるめいわし、ハタハタ、鯖、カマス、メバル、のどぐろ(赤ムツ)、ぐじ(甘鯛・アマダイ)、うつぼ、その他の魚介類や昆布などの海藻類、柿などの果物類、牛肉やシカ肉などの肉類、餅(凍み餅)、豆腐(凍み豆腐・高野豆腐)、かんぴょうなどがあり、直接地面に置くものとしては、昆布やワカメなどの海藻類、雪の上に広げるものとしては唐辛子などが例に挙げられる。ざるやす、よしず、簾、籠、シート、筵などを用いるものとしては、しらす()や桜えび、シラウオ、エノハ、いかなご、かます、ふぐ、鮎、鯵、秋刀魚、ふかひれ、貝・貝柱、ホヤなどの魚介類、ひじき、天草、アカモク、海苔などの海藻類、野菜類、梅干し、米、茶、芋、寒天、からすみ、豆腐、切り干し大根、椎茸などのキノコ類、わらび、ぜんまいなどの山菜類、落花生、煎餅生地、よもぎ(蓬)、ソバの実などがある。

天日干しにする際には、食材をあらかじめ茹でるなどして加熱する場合(煮干し、焼き干し)と、収穫したものをそのまま天日干しにする場合(素干し)、食材にあらかじめ塩を振るなどして味をつける場合(塩干し、調味干し)などがあり、天日の下に放置する時間も、例えば「釜揚げしらす」などのように茹で汁を軽く蒸発させるための数十分というものから、数時間から一昼夜程度、軽く乾燥させるもの(生干し(若干し)、さらには、大根や唐辛子、スルメイカ、椎茸、寒天などのように、数日~数週間に渡って太陽の下にさらすものまである。

天日干しをした後、そのまま、もしくは茹でたり煮たり焼いたりして食べる場合と、天日干しをした後、さらに漬けるなどの工程を経る場合とがある。また、梅干しやくさやなどのように漬け込んだものを天日干しする場合もある。

天日干しの色々


大根の天日干し(宮崎)


エノハの天日干し(京都)


エテカレイの天日干し(京都)


げんげの天日干し(新潟)


イカの天日干し(佐賀)

イカの天日干し(青森)

イカの天日干し(鳥取)


柿の天日干し(福島)


昆布の天日干し(北海道)


桜えびの天日干し(静岡)


しらすの天日干し(静岡)


そうめんの天日干し(香川)


梅干しの天日干し


ひじきの天日干し(愛媛)

天日干しの歴史

非常に簡潔で簡単な乾燥方法であることから、天日干しは上古の時代に各地で自然発生的に行われるようになった加工法と考えられる。食文化の変遷、食材の変遷、調理法の変遷などに合わせて、多少その形は変われども、現代にいたるまで寒い地域暑い地域を問わず、各地で伝統的に行われてきた重要な食材の加工方法であり、現代の日本の食卓に並ぶ食べ物、食材、料理を語る上で欠くことのできない食材加工の方法だ。


わかめの天日干しの風景

天日干しの効果

天日干しは単に保存性を高めるのみならず、水分を蒸発させることにより旨味を凝縮させる、さらに乾燥させることで旨味を引き出す、調理や後の加工の際に味をしみやすくする、などの効果がある。より具体的には、天日干しをすることで、食材の余分な水分が抜けて保存性を高めることができる上、旨味が凝縮される。なおかつ、例えば、昆布やきのこなどのように、天日干しをして乾燥させることにより、旨味成分(うま味成分)であるグルタミン酸(昆布)やグアニル酸(キノコ類)が引き出される。

昆布などのように、かつてはもっぱら天日干しで乾燥を行っていたものも、天候に左右されない、短期間で済む、作業効率が良い、などの理由もあり、機械乾燥(温風乾燥等)を用いることも多くなっている場合もあるが、その味わいには差が出るともいわれ、昔ながらの天日干しにこだわりをもって行っている生産者もいる。温風ストーブなどを使った機械乾燥に対して、天日干しを自然乾燥とも呼ぶ。

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