ハタハタ
ハタハタとは・・・
ハタハタ(鰰・鰰魚・神魚・雷魚・波多波多・鱩・神成魚・波太多雷魚・斑斑・霹靂魚・はたはた・Hatahata)は、
スズキ目カジカ亜目ハタハタ科ハタハタ属の魚。体長は15センチメートル~20センチメートルほど。日本海、及びオホーツク海、北海道の太平洋沿岸などの深海に生息、海が荒れて雷が鳴るような冬の時期(11月~1月頃)に産卵のために沿岸に大群で押し寄せることから、秋田では別名「カミナリウオ」とも呼ばれる。鱗がなくつるっとした魚体で、程よく脂がのった白身魚。骨が柔らかく、身はあっさりとしているが味はよく、出汁もよく出る。地域によっては、カミナリウオのほか、サタケウオ(秋田)、シマアジ(新潟)、ジンタン(兵庫)、カハタ(鳥取)、シロハタ・シラハタ(鳥取)、ハタ(鳥取)、オキアジ(山陰)などとも呼ばれる。
漢字で魚編に「神」と書く理由として、「神をイメージさせる雷がもたらしてくれる魚である」から、「身体にある斑の模様が富士山に見える」から、「食べ物が少ない冬の時期に沢山獲れるので神の恵みとしてありがたい魚である」から、などといわれる。
日本海沿岸部では冬の味覚(※)として親しまれており、塩焼きや干物(天日干し、素干し、焼き干し、一夜干し、味醂干し)、天ぷら、田楽、鍋、味噌汁(ハタハタ汁)、酢締め(酢じめ)、甘露煮、煮つけ、湯あげ(水煮)、麹漬け、粕漬け、醤油漬け、焼き漬け、なれずしなどで食される。江戸時代から漁獲されている秋田では「ハタハタ」は県魚に指定されるほど特に愛されており、秋田の代表的な郷土料理である「しょっつる鍋」の具材として、さらには「しょっつる鍋」に欠かせない調味料である「しょっつる」の材料(「しょっつる」はハタハタを塩漬けにして作られる魚醤)として用いられる。また、秋田の正月には欠かせないハタハタ寿し(ハタハタ飯寿司)などのほか、味噌漬け、ハタハタの三五八漬け、糠漬けなどで親しまれる。かつての食糧事情のよくなかった時代には、大切な冬のたんぱく源、保存食として扱われてきたという。
しょっつる鍋
ハタハタの旬
ハタハタの旬は秋から冬。地域にもよるが11月~12月にかけて漁獲量が最盛期を迎え、2月頃まで漁獲される。
※産卵のために沿岸部にやってくるハタハタを冬に漁獲する地域が多いが、鳥取などハタハタを底引き網で獲る地域ではエサを求めて深海を回遊している個体を漁獲する為、5月~9月頃に流通する。(産卵期ではなく、エサをたっぷりと食べている個体の為、脂がのっており、冬のハタハタとまた違った美味しさとされる。
しょっつる
秋田の名物として知られる「しょっつる」は、ハタハタを塩漬けして作られる発酵調味料。魚醤の一種。男鹿半島などのハタハタのよく獲れる地域では、かつては各家庭で自家製のしょっつるを作っていたというが、時代の流れと共に次第に家庭で作られることも少なくなってきているという。→ しょっつる