出汁
出汁とは・・・
出汁(だし・ダシ・Dashi)は、
昆布や鰹節、煮干し、干し椎茸などの乾物や、肉、魚介類、野菜などを水に浸けたり煮出したりして、食材の持っている旨味成分(うま味)を抽出したもの。主に、煮もの、鍋、うどんやそばなどの麺類、おひたし、吸い物、味噌汁など、高級料亭の日本料理、一般的な和食、日本の家庭料理や郷土料理に欠かせないものの一つ。日本料理の基本であり、日本の料理にはなくてはならないものの一つ。「煮出汁(にだしじる)」「出し汁(だしじる)」「煮出し(にだし)」などとも。
味噌汁
一般的には、出汁を取るための食材を、水や湯などに数分から数時間、長いものは一晩以上浸けて、または水を入れた鍋に投入して火にかけて数分から数日煮出して、もしくは焼く、炒めるなどしてから水を入れて煮出して、旨味成分を抽出する。また、手軽さや簡便さなどをウリに、家庭用や業務用に、ティーバッグ様の袋に入ったもの、粉になったもの(粉末だし)、顆粒タイプ(顆粒だし)、液体タイプ、インスタント出汁なども市販されている。
鰹節
けずり節
出汁に用いられる食材と出汁の色々
伝統的に日本で用いられる出汁のための食材から、明治以降使われるようになった食材まで、出汁として用いられる食材は多種多様であり、昆布、鰹節、煮干し、干し椎茸などのほか、肉、野菜、魚介類、キノコ類に至るまで、用いる食材や目的の料理に合わせ、単体で、もしくは二種以上の出汁を組み合わせて調理、料理に用いられる。
また、昆布や鰹節のように、日本全体で広く用いられる出汁の食材もあれば、あご(飛び魚)のように、特定の地域でよく用いられるものの、全国的にはそれほど一般的ではないものも様々ある。
だしは、昆布なら「昆布だし」、鰹節なら「かつおだし」、あごなら「あごだし」といった具合に、出汁を取る際に用いられる食材の名を冠して呼ばれることも多い。また、一番最初に取った出汁を「一番だし」、二番目に取った出汁を「二番だし」と呼び、「一番だし」は香りを重視した「吸物」など、「二番だし」はより風味を強くした「麺類用」など、用途によって使い分けられる。
和食で主に用いられる出汁の食材としては、昆布(真昆布、利尻昆布、羅臼昆布、日高昆布など)、節類(鰹節、鮪節、さば節、宗田節、いわし節、ムロ節(アジ節)など)、干し魚類(あご、など)、煮干し類(かたくちいわしの煮干し、うるめいわしの煮干し、鯵の煮干し、鯛の煮干しなど)のほか、粗(魚のアラ・魚の頭部や骨、鰭(ひれ)、エラ、骨についた身など)、干しエビ、干し椎茸、貝類(乾燥帆立など)、カニ、鶏(肉・もみじ、鶏ガラ(鶏肋)等)、豚(豚骨、肉等)、牛(牛骨、牛すじ、肉等)、山羊、大豆、モヤシ、六条豆腐、スッポン、ウミガメなどがある。
昆布と煮干しの出汁
あご
昆布
煮干
鯛煮干し