塩茹で
塩茹でとは・・・
塩茹で(塩ゆで・しお茹で・シオゆで・しおゆで・しおうで・Shioyude)は、
食材を塩を用いて茹でること。塩を入れた水(またはお湯)に食材を入れ加熱、沸騰させて食材を茹でること。調理法の一つ。またはそうして作られる料理のこと。地域によって塩煮ということもある。(塩茹でと塩煮を区別する場合もある。)
食材を茹でる際の塩の量の目安としては1~2%ほどの塩分濃度(水1リットルに対し、塩10グラム・・・さらさらっとした細かい塩の場合、小さじ1が約6グラムなので、小さじ2杯弱で約1%)が標準だが、食材によって異なり、蟹や貝類などは海水程度の塩分濃度(約3%~5%)(水1リットルに対して塩30グラム=塩大さじ2杯、で約3%)が美味しく塩ゆでするのにいい量といわれる。
塩ゆでするものとしては、カニ(毛ガニ、ズワイガニ、ベニズワイガニ、タラバガニ、ワタリガニ(ガザミ)、花咲ガニ、ドウマンガニ、クリガニ、サワガニ、モクズガニ等)、エビ(伊勢エビ、車海老、大正えび、芝エビ、甘えび、赤えび、桜エビ、テナガエビ、ブラックタイガー等)、貝(バイガイ、ながらみ、つぶ、ニナ(バテイラ・シッタカ)、キリアイ(チャンバラ貝)、ホタテ、サザエ・姫さざえ、スガイ等)、サバ、イワシ、ニギス(メギス)、イカ、タコ、シャコ、カメノテ、フジツボなどの魚介類のほか、牛肉、豚肉(肉のほかに豚足など)、羊肉、鶏肉などの肉類およびレバー、センマイなどのモツ類、とうもろこしなどの穀類、枝豆、空豆、大豆、いんげんなどの豆類、人参、ほうれん草、小松菜、オクラ、菜の花、青菜、ブロッコリー、アスパラガス、キャベツなどの野菜類、大根、じゃがいも、里芋(きぬかつぎ)、さつま芋、レンコンなどの根菜類、わらびやフキなどの山菜類、落花生、銀杏(ギンナン)などなど、様々なものがあり、食材や目的とする出来上がりの味・状態に応じて、ゆで時間や塩加減を調節する。
塩ゆですること(茹でる際に湯に塩を入れる事)により、加熱調理しながら食材に塩味をつけたり、臭みやアク、汚れをとったり、色鮮やかにしたり、食材の変色を防いだり、食材を柔らかくしたり、栄養や旨味が湯の中に溶け出てしまうのを防いだり、殺菌する効果等があり、シンプルで基本的な調理法ながら、素材の味をストレートに味わえる調理法として、日本料理、和食、日本の家庭料理には欠かせない基本の調理法の一つ。また、食材の鮮度はもちろん、塩の量とゆで時間で、出来上がりの味がまったく異なったものになってしまう為、簡単にみえて奥の深い調理法ともいわれる。
塩茹でに関するメモ
◇塩茹でしたものは、「エビの塩茹で」「塩茹で豚」「塩茹で落花生」等、食材の名前を付して料理名・メニュー名・商品名とする場合も多い。新鮮な食材が手に入れば、鍋と塩と水と熱源があればすぐ出来る調理法・料理「塩茹で」は、飲食店や居酒屋などでも比較的よく見かけるメニューの一つ。
◇「しらす」や「桜エビ」など、「料理の為の調理」ではなく、製品(商品)を製造する際の工程として「塩茹で」することもある。また冷凍食品(冷凍枝豆・ミックスベジタブル等)を製造する際にも塩茹では用いられる。
◇本調理をする前の下準備、下処理、下茹でとしておこなわれることもあり、冷蔵庫などに常備して、料理の際の手間抜き、時短のための材料・食材として保存しておく場合もある。(野菜などを塩茹でして冷蔵、冷凍保存する。)
◇新鮮な魚が獲れる地域では魚を塩茹でして食べることも少なくない。石川県は鰯、カマスなどの魚を「塩茹で」して、醤油や出汁醤油、酢、ショウガなどで食べる地域として知られており、家庭の味、郷土の味覚、郷土料理にもなっている。